2014年11月30日日曜日

宮崎作業日誌①



11/18
稽古初日。ホワイトボードを借りて手持ちの道具と状況を書き出す。デモが行われている金鐘という場所にいる時間が日常の話の中にあって一日のエピソードを話す中にふっと出てくるような見せ方にしたい。参考にしていたのは2、3年前に新川崎芸術センターというユニットでやっていた演目「ハートビート」で、この演目では、架空の吹奏楽部39名に名前、学年とクラス、簡単な特徴(背が高いとかメガネとか)と担当している楽器、関係性などを与えて、4月の一年生の入学から10月の定期演奏会までの期間にあった大小の出来事や事実を200個くらい創作し、それを自分の思い出のように延々と3、40分語るということをやっていた。明日はアンケートから登場人物を作るWSをやろうと決める。






11/19
適当に選んだ8枚のアンケートから8人の登場人物を作成した。
それぞれの一日の過ごし方から名前と人物像を適当に当てはめてそこに関係性を持たせてみる。橋本真由美という人物の基になったアンケートに書かれていたエピソードが印象に残る。「親から電話がかかってきても出なかった。あとで宿題をやっていたと言った。」




11/20
橋本真由美の一日のスケジュールをエピソードとして書き言葉で書く。書き言葉の文体で書いたのは、本人をやるというよりも、記述されてるものを読んでいるような声の出し方で読むことで、ここにはいないけど、どこかにいる人の話、のように見せたかったから。朝起きて学校へ行き、学校の時間を過ごして、学校からバイトの家庭教師をしている家に行って、終わったら「自習室」に移動する、所までを書いて役者に読んでもらう。肝心の「自習室」のエピソードと家に帰るまでに辿り着く前に文章量が大量になってしまった。これじゃあ時間までに役者が覚えられない。。





11/21
エピソードの記述を作業として残しながら、頭が回らないで煮詰まっていた。こういうときは目的に捕われすぎて楽しみが消えていると思ったので、視点を変えて別の素材を稽古場で試してみることにした。アンティゴネとぼくらの七日間戦争のテキストを俳優に読んでもらうための準備を中央図書館でする。
コピーしたテキストを眺めて仮組の全体の構成を考えてみる。
1、お客さんに資料を配布して目を通してもらう
  登場人物表
  エピソード群(人物軸、出来事軸、場所軸)
2、アンティゴネをやる
3、ぼくらの七日間戦争をやる
4、橋本真由美/菅谷志保の一日
5、自習室
6、宮崎
7、橋本の帰り道
8、志保の手紙と生徒との会話(ぼくらの七日間戦争)
9、アンティゴネ/ぼくら/橋本
役者が大量な情報を台詞として覚える代案として、あらかじめ資料を渡すというのを考えた。先にテキストを渡してから上演がはじまるっていうのはやってみたいことだった。頭の中の情報といま目の前で行われていることとのズレが見ている人の頭を忙しくさせるように出来たら面白いと思う。



11/24
前日のバイトで準備不足。映画「ぼくらの七日間戦争」を見る。収穫はあまりなかった。




11/25
「自習室」という場所を立ち上げる、というのが言葉ばっかりでいったいなにをどうやるのかわからなくなった。このままエピソードを増やしてもいかがなものかと考えあぐねる。8人の登場人物のスケジュールをもう一度書き出して、同じ時間に自習室にいる人を図にしてみる。例えばここで、出来事を起こして、複数人の視点からそれを語ってみることをしたら、、と考えてみたけど、それが何になるのかピンとこなくなってしまった。この場所を表すやり方としてやってみたいのと別に、なぜ「自習室」なのか、というところからもう一度考え直すと、この自習室に訪れたときに感じた、まさに事が起こっている場所の中にこんなに開かれていてのんびりとした、ふつうの時間があることに驚いた、というのが重要な事だと気がついた。




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